ペダリングがうまくなるために、効果あると言われている片足ペダリングなんですが、正直効果は薄いんじゃないかって思っています。

ペダリングがうまくなりたいのなら、片足ごとではなく両足ですべきなんですよ。

なぜならロードバイクに乗るときは両足でペダリングするからです。

ロードバイクは常に両足でペダリングをする

あなたは本気でロードバイクに乗るとき、片足でペダリングしますか?

右足を止めて左足は回っている状況は、自転車に乗っているときに存在しませんよね。だからそんな練習してどうすんのっていう話です。

だから片足ペダリングに効果があったとしても、遠回りだと思っています。

雑誌なんかでもペダリングをするときに、体幹の大きな筋肉を使いましょうって書いていますよね?

そうです。ペダリングは全身の筋肉を動員してするもの。ペダリングは脚だけが動いているんじゃないんです。

じゃあ片足ペダリングをするとどうなるかっていうと、そのペダリング中の脚の動きはスムーズになったとしても、その脚を動かすための体幹の筋肉の動きは両足ペダリングのときとは全くことなった動きをしているんですよ。

他のスポーツを考えてみてください。ランニングするときに左半身を固定して右足だけの練習をしますか?(←不可能って部分もありますけど)野球で投げる練習をするときに腕の振りだけの練習をしますか?

こんな身体の一部だけの動きを練習したって、意味がないからやらないんです。なぜなら全身の筋肉を動かすから。

自転車では体幹だけでなく腕も使ってペダリングしています。片足で綺麗に回せたって結局は、両足では綺麗に回せられないんですよね。

なぜなら自転車は、両足が交互にまわることでバランスをとっているからです。

歩くとき脚と手は別々に動きますよね?一緒に動かしてしまうとぎこちなくなりませんか?

人間って(人間に限らず動物全般)は腕なり脚なり、なにかを身体より前に出したら、なにかを引かないとバランスをとれないんです。

ネコ科の動物は尻尾の動きでバランスとってたりしますよね。

それと同じように自転車にのっているときも、両足を交互まわすことでバランスをとっているのですが、片足ペダリングは片足を固定するのでバランスがとれません。

すると身体のいろんな部分に無駄な力が入るんですよ。バランスがとれないから筋肉で固定するわけですね。

無駄な力の入ったペダリングを身体で覚えても意味ないと思いませんか?

そしてそれを最終的に片方ずつうまくなって、じゃあ両足につなげようとしたときは、その身体が覚えている無駄な力を抜くことから始めないといけません。

言い換えると、両足のペダリングの練習をしないといけないんです。

じゃあ最初っから、両足で練習しろよって話なんですよ。

片足ペダリングの時ほどの引き足は必要ない

片足ペダリングをすると、強制的に引き足を使わないとペダリングできません。だって、引かないとペダル上がってきませんからね。

これで引き足がうまくなるって思ったら大間違いです。

↓この動画見てみてください

後半でスローモーションでペダリングが見れるんですが、そんなに引いているようにみえますか?

踏んでもいないし、回してもいないし、引いてもいないんです。

ペダリングができていないと「引き足が使えていない」なんて言いますが、動画を見てもわかるようにそこまで引く必要はないんです。

あくまでも右足で踏んでいる時に、左足で邪魔をしないことが大事。だからペダルの円運動に合わせて抵抗しないように足を引き上げるだけで、ペダルを引き上げる必要はありません。

(急加速する時の、踏み足と引き足50:50の時の話は別です)

これはエンジンに詳しい人しかわからないのでわかる人だけでいいですが、たまにペダリングはエンジンのピストン運動に例えられます。同じ直線運動を円運動に変換するエンジンにピストンを引く力はありません。他のピストンの動きを妨げないようにバルブをあけて排気しているだけです。

ペダルは踏んでもいけないし、引いてもいけない。ペダルの動きに合わせてシンクロしながら少しだけトルクをかけるだけです。

ここで片足ペダリングの話に戻ると、片足ペダリングではペダルを結構引き上げなければ回せません。これはもう片方の足でペダルを踏んでいないからです。

両足でペダリングする時には必要のないほどのトルクの引き足を、片足ペダリングでは使うことになります。

このトルクは両足ペダリングでは必要ではありません。

こうやって考えると、片足ペダリングの引き足ってすっごい無駄じゃないですか?

運動がうまいというのは無駄な力を抜くこと

アメトークの「運動神経悪い芸人」ってみたことがありますか?見たことがある人は想像してみてくだい。見たことがない人は、周りの運動神経悪い人を想像してみてください。

運動神経悪い人って、身体の力が入れられないのではなく、全身に力が入っていて身体を自由に動かせていないのがわかると思います。

 

それと対照的にペダリングがうまい人って軽そうにペダルを回していませんか?

そうです。無駄な力が入っていないんです。綺麗なペダリングとは無駄な力の入っていないペダリングのこと。必要な筋肉が必要なだけ動いて、他の筋肉が邪魔をしていないんです。

じゃあ片足ペダリングってどうでしたっけ?身体のいろんな部分が両足ペダリングでは関係のない無駄な力が入っているんですよね?

どうです?片足ペダリングって意味がないと思いませんか?

ペダリングがうまくなりたいのなら両足で練習するのが一番

ペダリングをうまくなりたいのなら、片足ペダリングではなく両足ペダリングを練習しましょう。

片足ペダリングは両足ペダリングと比べると、筋肉の動きが違いすぎるからです。たとえ片足ペダリングがうまくなったからといって、その動きを両足ペダリングに生かすことはできません。

最初から両足でペダリングをして、自転車の動きに逆らわないように無駄な力がはいらないように綺麗に回す練習をしましょう。