ペダリングの理論はいろいろ書かれているのですが、おそらく基本的には同じことを言っていると思います。
- 骨で踏む
- 脱力する
- 回す
- 引き足を使う
これ全部だいたい同じなんですよ。
おそらく言いたいのは、ペダリングするときにペダルの動きを邪魔しないことだと思っています。
ペダリングに力はいらない。
全く踏まなくても30km/hは簡単に出ます。
脱力するペダリングができた上で、必要なタイミングで必要な分だけ力を入れる必要はあるのだけど、まずはペダリングってこんなに踏まなくてもいいんだってことを知ってください。
人間は乗っているだけで動いているのは「自転車」
私たちが自転車に乗っているとき、主に動いているのは自転車です。そして私たち「人間」は自転車にくっついて動いているだけなんですよね。
だから自転車が気持ちよく、動ける状態にしてあげないといけない。
要するに、無駄な力を入れるなってことなんですよ。これが「脱力ペダリング」「骨で踏む」「回す」とかって言われていることなんですよね。
ペダルはクランクでつながっているので、円運動しかできません。
しかも踏み込んでいる間はタイヤまで直結していますよね?ということは自転車のスピード以上に強く踏んだって、自転車は早く動くんじゃないんですよ。
だから自転車のペダルを踏むときは必要以上に大きな力はいらないんです。円運動をしているペダルと一緒に足を動かせながら(あくまでも自転車主体で人間は一緒に動いている)、邪魔にならない程度にそっと押してあげるだけ。
詳しく書くと「筋肉には2関節をまたぐ関節があって・・・」とかっていう説明があるんですが、難しいので詳しくはここで書きませんが、私たちがよく見る映像で見れます。
雨トークの「運動神経悪い芸人」です。
見たことある人はわかると思うのですが、全身に力が入りすぎだと思いませんか?(ヒザ神のヒザがうごかないのもその一番わかりやすい例です)
運動神経が悪い人って、必要以上に力が入っているだけなんですよ。それで筋肉がちゃんとうごかなくて、思っている通りの動きができない。
収縮しなくていい筋肉まで収縮させているから、固まってしまうということです。
そこまでひどくはなくても、これと同じことが私たちのペダリングでも起きているんです。
とりあえず、力は入れないんです!
じゃあどうやってペダリングするのかというと、足って結構重いのを知っていますか?
足の重さは片足で10kgもある
実は足の重さって10kgもあるんですよ。どのくらいの重さかというと、10kgのお米を持ち上げるときの力を想像してもらうと、どのくらいの重さかがわかると思います。
例えば、走っている自転車のペダルに10kgの重りを乗せれば加速すると思いませんか?
そうなんです。股関節より下に力をいれなければ、上死点にあるペダルは下死点まで10kgの力(足の重さ)で押し下げられるんです。
重みで下に落ちた足とペダルを上まで持ち上げて、そこで力を抜けば勝手にペダルは回っていくんですよ。
だからペダルまでは踏まなくていいんです。
足の重さだけでペダルが下がって加速するのを体感してみて
まずは時速20キロで走ってみましょう。
そのまま左足はペダルから外して宙ぶらりんの状態にしてください。そして右足はペダルを上死点に持ってきてその上に置きましょう。
そこで足の力を全部抜いてください!ポンッと放り投げる感じ。
すると、スっと加速するはずです。←信じてやってみて
これを連続でやってけば、30キロは余裕で出ます。ケイデンスもどんどんあがりますよ!
引き足はいらない
引き足はいりません。
これはあえてこの言い方をしているのですが、引き足というと「力強くペダルを引き上げて加速する」というイメージはありませんか?
さっきも言ったように足の重みだけで進めばいいので、引かなくてもいいんです。
でもプロの選手は引き足を使っていますよね?あれは時速50キロ以上で走る場合です。実際50キロ以上では引き足も踏み足も使いますが、今回目指すのは時速30キロなんですよ。
だから引かなくてもいい。でも足の重みで回るペダリングの邪魔をしないこと。
人間には10kgの足が2本ついています。ペダリングにはこの重みを使いますが、左右のペダル両方に10kgの重りが乗っていたら天秤のようにバランスが取れてしまって、ペダルが動きません。
だから下死点まできた足とペダルは、上に持ち上げてあげます。あくまでも邪魔をしないだけで必要以上に引き上げる必要はありません。
ペダルの動きに合わせて、邪魔をしないようにするだけです。あくまでも動いているのは自転車で人間は乗っているだけであることを忘れないでください。
その後上死点ではペダルは前に進んでいるので、前の方に足を放り投げてあげましょう。
この動作だけでぐんぐん加速していきます。
ペダリングのまとめ
- 踏まない
- 引かない
- 足の重さを使ってペダルを下に(力を入れなくても下がっていきます)
- その動きを邪魔をしないようにペダルを上げる
- 足を前に放り投げる
本当にこれだけで時速30キロは普通に出ます。しかも力を入れていないので楽にその速度が出せる。だから30キロで巡航できるんですよね。
私もそのぐらいの速度であれば、本当に流しているだけで出てしまいます。試してみてください。
たいへん興味深く拝読いたしました。ダウンストローク時に足の重さだけで回す動きは一月ほど前からできるようになり、心拍130台で28km/h程度の巡航が可能になりました。だだ、このままでは30km/h台の巡航には届かないと感じ、アップストローク時に太腿を上手く動かして、上昇してくる膝下がつっかえないようかわす動作を試しています。まだ上手くできていませんが、拝読した内容が私のイメージにかなり近いため方向性は間違っていないなと安心しました。貴重な情報を公開していただきありがとうございました。
たかしさん
28km/hならもう少しですね。
でしたら、ギアはインナーロー(もしくはローラーなどで負荷0)の状態でゆっくりペダリング(30回転ぐらい)して上死点がスムーズに回るかどうかを試してみてください。
スムーズでないなら、どこまで太ももをあげれば上死点で引っ掛かりがなくなるかを見て、しっかりそこまで上げるペダリングをしてみてください。おそらくそれであと2km/hは刻めると思います。
ありがとうございます。さっそくやってみます。