あなたは片足でスクワットをした時、膝がまっすぐ下がりますか?

膝が痛いという方は、膝が内側に入っていませんか?

ロードバイクの膝の痛みの原因には種類がたくさんありますが、このように片足スクワットで膝がまっすぐ下がらないと、それが膝の故障の原因になることがあります。

ペダリングの回数分、膝が左右に揺れている

片足スクワットで膝が内側に入ってしまうってことは、体重を乗せるたびに膝が左右に揺れるということです。

ちなみにロングライドではペダリングを何回転すると思いますか?

例えば100kmのロングライドだとして考えます。700×25cのタイヤ(一般的なロードバイクタイヤ)の場合、タイヤ1周で2105mm進みます。そしてギア比をギア比を3.0ぐらいで乗ったとしましょう。

なんと15835回転しないといけないんです。

ペダリングの時は常に、ペダルに力をかけている状態です。片足スクワットで軽く膝を曲げている状態に近いですよね。(実際にはペダルは動くので、理論的には違いますが、感覚だけわかってほしいのえこの書き方をしています)

その状態で、15835回を膝を左右に揺さぶられたら、そりゃあ膝痛くなると思いません?

考えたくもないですね。そりゃ痛いですよ。

この膝の左右のブレが、様々な膝の痛みの原因となっているんです。もちろん他にも原因はありますが。

トップチューブに当たるようなペダリング

ロードバイクに乗ると膝の外側が痛いから完治を目指してみるにも書きましたが、がに股が原因で膝が痛くなる人もいるらしいですが、私の場合は逆にペダルの上死点あたりで膝が内側に入ってしまうペダリングでした。

膝が痛くなるのなら「トップチューブに当たるようにペダリングをすればいい」とか書いてあるブログや知恵袋なんかも見当たりますよね?

そもそもがに股ペダリングは力も逃げてしまいますし、治したほうがいいでしょう。がに股ペダリングについて書き始めたらそれだけで長くなるので詳しくは割愛します。

でも最初からトップチューブに当たってしまうようなペダリングの場合は、それ以上内側に太ももをあげるわけにはいきませんし、「どうしたらいいんだよ!」というのが最初の私の感想です笑

たぶんこの気持ちになっているのは、私だけではないはず。内股ペダリングって褒められたりしますからね。

正しいペダリングは膝がまっすぐあがって、まっすぐさがることです。↓この動画を見れば一目瞭然。

内側にも入っていないし、がに股でもない。

じゃあ膝を真っ直ぐあげて真っ直ぐ下げれば、いいのかと思って練習をしてみましたが、結構難しいんですよ。

全体的に真っ直ぐしていても、フラっと揺れる部分があるんです。上死点や下死点で筋肉の動きが切り替わるときにふれてしまう。

これはもちろん、トレーニングをしていけば筋肉でも多少はカバーできる部分なのですが、原因は筋肉だけでないのもわかってきました。

膝が揺れるのは、ただ筋力が足りないだけでなく骨格に問題があるようです。

専門用語を使うのなら足首の過回内(かかいない)に問題があるようです。

↑聞いたことないと思いますが、説明しますね。

膝が内側に入ってしまうのは骨格の問題

膝が内側に入ってしまうのは、足首の過回内が原因といいました。この障害というのは、日本人だけでなく人間の90%近くが抱えているそうです。

もともと人間って四足歩行の動物から進化しただけで、もともとは四足歩行のためにできた骨格なので二足歩行になれば障害もうまれるハズです。

腰痛もその1つですが、足首の過回内もその1つ。

↓足首の過回内を詳しく説明している動画があったので詳しく知りたい方はどうぞ(ちょっと説明がくどいけど)

この動画はランナーズニーというランナーの怪我に関しての動画ですが、ランとバイクの下半身の動きは似ていて、同じ理由で腸脛靭帯という靭帯を痛めているのです。

要するに、母子球と地面の間には骨格的に隙間が空いてしまっている人が多く、体重をかけるときにその隙間を埋めるために足首が内側に曲がり、その結果膝が内側に入るんですね。

その隙間が大きいほど膝を痛める可能性が大きくなります。

試してみてほしいのですが、痛めてしまう方の足で母子球の下にティッシュかなにか(←3mm程度あげられるならなんでもいいです)で底上げをして、片足でスクワットしてみてください。

おそらく底上げをしない場合と比べて、かなり片足スクワットがやりやすいと思います。更に膝が内側に入るのも真っ直ぐになるかかなりマシになると思います。

これが膝が痛くなるのは骨格の問題だということです。

時系列でまとめると

  1. ペダリングで踏み込む
  2. 足首が内転する(と同時に土踏まずが潰れる)
  3. 足首の内転に合わせて、膝が内に振れる
  4. これが繰り返されることで靭帯が痛くなる

もう少し詳しく説明すると、その膝の揺れで膝間接の骨と腸脛靭帯が擦れることによって痛めるのですが、そこは割愛します。(長くなる笑)

これはあなたが貧脚だからとかそんな理由ではなく、生まれながら骨格の問題です。あなたは悪くありません。

足首を内転させない 母子球の底上げと土踏まずの固定

膝を痛めないためには、膝を真っ直ぐ上げ下ろしすることが大切なのはわかったので、足首の内転を防ぐ必要があります。

緊急的な方法でするのなら、ホームセンターでフェルトなどを購入して、シューズの母子球あたりのインソールの下に数枚貼ることで、底上げをして足首を内転させない方法があります。

実際にやってみましたが、違和感ありありです笑

ただし、このままでも膝の左右の振れはかなりおさえられますし、効果はあります。

どのくらいの高さを底上げするべきか。

底上げするといってもやりすぎてしまうのは良くありませんし、少なければあまり効果はありません。

ではどうするのかというと、貼る予定のフェルトを地面と母子球の下で挟んで、片足でスクワット。一枚ずつ増やしていって一番スクワットしやすい(安定する)枚数を調べてみてください。

その枚数を靴の中の母子球の下に貼ればちょうどいいです。

(くれぐれもインソールの下ですよ)

ただしこの方法の弱点は違和感と、土踏まずは潰れてしまうことです。

母子球を底上げするだけでも効果はありますが、母子球に体重がのれば次は足底のアーチ(土踏まず)が潰れます。母子球が下がるだけでなくこのアーチが潰れることによっても、足首の過回内が生まれてしまうんですね。

人間は歩く走るという動きの中で、土踏まずはバネの役割をしています。

着地の時に足に乗った体重に対する衝撃をうけとめ、さらにその力を貯めて蹴り出す時には反発して推進力になるわけです。

ただし自転車で踏み込むのは動くペダル。そこまでの衝撃はありません。だからアーチが潰れることによる衝撃吸収機能はいりませんし、むしろ力を逃がしてしまう原因になるんですね。(自転車では蹴り出す動きの時は下死点なのでトルクはかかりません)

だから自転車では変に膝が内に回らないように、土踏まずの機能を殺してしまう方が効率がよくなります。

土踏まずを固定しないと、まだ膝は内側に入ってしまうので、まだ理想的ではありません。ただし、ゆっくりロングライドをするぐらいであれば、フェルトを貼るだけでも膝の痛みは収まるはずです。

でもレースに出る人や、速さがほしい人はまだ不十分です。

最初の動画でも見たように、プロのペダリングは真っ直ぐです。理想はあのペダリング。

そのペダリングに近づくには、さらに土踏まずの固定が必要です。

土踏まずの固定にはインソールの交換とシムの挿入

フェルトに比べて少しお金はかかりますが、あなたに合うインソールを靴に入れることで土踏まずを固定してアーチを潰れないようにすることが可能です。

後日また写真を貼りますが、インソールで土踏まずの部分を埋めてしまうんですね。潰れるための場所がないので潰れようがないという状況にするわけです。

この時のインソールの選び方は、フェルトの枚数を調べるためにした方法と同じ。

インソールを地面に置いて、その上に乗って片足スクワット。一番スクワットしやすいもの(膝が内側に入らないもの)を選びましょう。

さらに母子球の底上げが、足りない場合はシムというものをインソールの下に挟みます。シムは左右で分厚さが違う薄い板のようなものです。

このようにして母子球の底上げと土踏まずが潰れて足首が内に回ってしまうことを防げば、膝が横揺れすることがなくなり膝が痛くなくなります。さらにペダリングで膝が左右に揺れないのは、物理法則上は(縦方向だけを見たら)理想のペダリングなのでスピードも早くなるはずです。

さらに精度をあげるためにBG-FITを受ける

こうやって調べていくと、もっともっとポジションを突き詰めて行きたくなるんですよね。

一番正しいポジションでペダリングをしたい!

まぁ自転車には正しいポジションには色々考え方があるので、絶対的に正しいポジションはないってのが問題なのですが。

さきほどの母子球の高さとか、土踏まずのアーチの高さだけでなく、足の長さは左右で違う(正確にいうとスネだけや、太ももだけの長さで左右を比べても違う)ので、左右対称のペダリングにはならないので、理想ではない。

人間という非力な筋力だからこそ、効率を追い求めて1%だけでも良くなればいいと思ったんですよね。

自転車の足と同じ動きをするスポーツカーのエンジンでは、1g以下の重量でバランスをとります。1mmなんて狂いは絶対ないんですよね。

人間の動きではもっともっと効率を求めていきたいと思うんですよ。そうやって効率を研ぎ澄ました100km先まで走っていたったときの疲れや余力は全く違うはず。

そうすればレース派の人はゴールスプリントを思いきりできるし、ロングライド派はさらに長い距離を楽しめるようになります。

言ってしまえば、フレームの重量よりホイールの重量の方が大事ですが、そのホイールよりさらにポジショニングと高効率は大事だと思います。

高いホイールを履いても、いいフレームに乗っても、速度はそんなにあがりません。グランツールに出ているプロと私たちの一番大きな違いはエンジンである自分の身体です。

むしろお金の問題を除けば、スポンサーに関係なく機材を選べる私たちの方が有利です。

それが自転車の面白さでもあり、厳しさでもあるんですが。

ということで、膝の痛みの解消と効率の追求のためにBG-FITというフィッティングを受けようと思っています。

BG-FITとは「body geometry fit」の略で、スペシャライズドが提供しているロードバイクやTTバイクなどのフィッティングサービスです。

これは納車のときに数字だけで出してしまうフィッティングとは違い、その名の通り人体工学(body geometry)に基づいたフィッティングです。もうね。すごいですよ。

なぜ、BG-FITなのか。そして普通のフィッティングとなにが違うのかについてはまた次回書いていこうと思います。

ロードバイクのポジションのためにBGフィットを受けてきたのレビュー