いわゆる秋舞洲。鎖骨骨折から2ヶ月。復帰戦。

今年中に2勝してE1に上がりたかったので、どうしても勝ちたいと思っていたレース。

「今自分が持っている手札でどう戦うか」をひたすら考えて、なんとか勝ってきました。

 

自分の写真をこんなにSNSでアップすることはないんですけど、勝った時は許してもらえるかなって思ってます。

photo by @tsuyo0725

僕が今持っている手札と作戦

僕は7月の頭に鎖骨を折って、ほぼまるまる一ヶ月自転車に乗っていませんでした。

調子は現時点で少し持ち直してきたものの、まったくもって本調子ではありません。

体重も3kg減らしたものの、今期絞れてた時より4kg増。レースの3日前には、16分台だった峠が19台まで落ちてましたからね。まぁ調子は悪いっていってもいいでしょう。

それでも勝てたのは、舞洲クリテの展開を想定しレースを作って自分が勝つためにやらないといけないことに特化して、そこだけは1ヶ月で武器になるレベルまで仕上げてきたからです。

舞洲の勝ち方は3択

僕が想定できた舞洲の勝ち方は3択。

  • 序盤もしくは中盤からのL4域を使った長距離独走
  • 終盤の5分以内のVO2MAXを使って逃げ切る
  • スプリント

の3択。E1とかだともう少しマシな戦い方もあるでしょうけど、まぁE2E3だとこんなもんでしょ。

でネクストリームとして記憶に古くないのが、平地マンとキリPの独走勝利。あんな勝ち方できれば格好いいなと思う。でもさ、俺は彼ら2人ほど強くない。これから先はわからないけど現状無理です。

(ちなみに鎖骨折れるまで、ずっと独走の練習してたよ。でも想定する速度で維持できないから今は無理だと悟った)

だから僕がとった作戦は

足を使わずに後ろに待機。残り5周までに前に出て、そこから持ち込み勝ちそうな逃げには乗る。

でも乗るだけ。たぶん集団スプリントになるからスプリントする足は別タンクに残しておく。

まぁもっと詳細までいろいろ考えてるんですけど、それはレース展開の中で。

1ヶ月でやった準備

  • スプリント練習
  • 30秒以内のACインターバル

の2つだけ。

もちろんL4やロングもやってベースもあげているけど、それはいつでもやるべきことで対策とは言えない。

あとやったことは、いろんなパターンで詳細までイメトレしたこと。

スプリント練習はパワーも重要だけどどうやって最高速を出すかに絞って練習しました。まぁその結果、最大パワーもあがったんですけどね。

レース中どう動いていたか

C1から見たかったのでレース会場には10時に余裕を持って入る。

ゆっくりしてたらC1が始まったのでヤジを飛ばす。応援は楽しいなぁ。レースはVCFukuokaの佐藤さんが勝利。なんかさすがといった感じ。あれ?そういえば平地マンなんかしてたっけ?

そのあとフェミニン、E1のレースも始まりE1は落車だらけで鎖骨がなんかズキズキ軋む笑

レースの1時間半前から、アップをし始める。じっくり体温をあげながら、たまにケイデンスをあげて身体を起こす。

時間になったので検車に行って、心の準備を。

緊張は多少してるけど、なんかレースに望む感じじゃなくて心はスっとしてる。いい感じに集中してる。

序盤は後方ヒラヒラ

春頃、クリテに出る時は前方キープしていました。落車が怖いのと、アタックに反応するために。

今回は序盤のアタックに反応するつもりはさらさらないので、後方でいいやとヒラヒラとしてました。先頭は100mぐらい先なので、「みんなレースしてんなー。あ、逃げてるなー」ぐらいで、傍観。というかこんな位置にいるとなんもできません。

直線でサイドからぐあーってくるけど、コーナーでするするってあがって適当に。後方ヒラヒラは別に楽じゃないけどうまく走ればしんどくはないな。

レースが半分ごろすぎたので、そろそろ動き始めようかと思ったら、アベノバの阿部さんも動き始めたので少しずつついていくことに。まぁ足を使わずに綺麗にあがっていく。

僕も極力足を使わずに上がっていく。阿部さんの走り方はめっちゃ勉強になった。

残り7周でアタックしてみる

本当は残り5周まで我慢する予定でした。

アタックしてみるというか、阿部さんがアタックしたのでのってみただけ。

残り7周は想定よりちょっと早いけど、阿部さんのアタックはとりあえずついていくしかないでしょ。集団とちょっと離れたけど、あんまり離れ切らない。たぶん阿部さんマークされてんなぁ笑

半周回踏んでみたけど集団が追っかけてきて回収される逃げやと思ったので諦めて集団に戻る。

でももうここから集団内に戻るつもりはない。

戻った瞬間にもう一発アタック。これは別に逃げるつもりはなくて、試しにやってみて逃げれたらいいし無理でも集団が活性化されればいいや。アタック合戦に持ち込みたい。でも俺は極力足は使わない。

残り5周に入って、周回賞。ほっといてもアタックかかるので2番手ぐらいでずっと乗り継いで行く。5秒ぐらいのダッシュの連発。でも基本的に風を浴びずに少し休めた。

追わない勇気

周回賞終わった瞬間にカウンターアタック。あくまでもスプリントの足は使わんけどな。乗ってきた人がいたので回す。でもいっぱいいっぱいそうでうまいことまわらんから集団に戻る。

そこからカウンターで1人逃げが決まる。2人以上でうまいこと回ってたらブリッジするけど、距離も開かないしその必要は無さそう。ここは半分は賭け。追わない勇気も必要だと言い聞かせる。

このあたりからsauceのエリートさんも前にいて、3人か4人ぐらいで回してたかな。集団が活性化してなければ必死で追うけど活性化してるので心配ないでしょう。たぶん誰かがひく。でも前をひいてもいいから位置取りのために前方維持。絶対下がらんで。

案の定、最終周回手前で逃げを捕まえる。

最終周回はすっげー気持ちよかった

位置取りのために結構前も引いてるから、スプリントできるか自信はこの時点でなかった。エリートさんもいい位置にいるし強いなぁ。沿道から練習仲間のジンノを応援する声もあるから近くにいるのな。ワンツーできたらええのになとか思いながらの最終周回に入っていく。

想定通り1コーナーは先頭で突っ込む。たぶん先頭だったはず。

舞洲は春の経験から、ここはバックストレートは向かい風にかつ位置取りのために死ぬほどペースがあがるのを知っていた。最終コーナーを前方で飛び込まないと勝機はないからだ。ここで誰かがアタック。エリートさんだったかな。これも想定通り。だれかが最終周回のバックストレートでアタックするのはわかってた。悪いけど風除けに使わせてもらう。

ちなみに最高なのは2番手で飛び込むこと。最悪でも1番手か3番手。多分4番手以降だと表彰台に立てても、勝機はない。

どんどんサイドから番手あげるためにあがってくる。「大丈夫。最終周回に足を使って番手をあげた人に俺は負けない」と自分に言い聞かせ、乗り換えながら常に2番手につく。そのために俺は7周回前から前方5人にずっといるのだから。

最終コーナーは先頭で入るつもりで突っ込んでいく、そうすれば内側から飛び込んでくる人がいて2番手最終コーナーに突っ込める。ほら来た。想定通り。

足も結構限界近い。でももう踏むしかない。ためてためてギリギリさせるだろうところで本格的にスプリント開始。過去最高の1300Wで立ち上がったけど後輪がはねてうまく加速しない。お前まじか。リアが滑った。

シッティングに切り替えて、スプリント。自分に「お前の足は油圧で動いている」なんて思いながら踏みきりなんとか差し切りました。

冗談じゃなくほぼ想定通りだった

  • 序盤からの逃げは逃げ切られたらもう諦める(選択)
  • 残り周回少ないところから、何度かアタックを繰り返しペースをあげて被せられないようにした
  • 最終周回を死ぬほど頭の中でシミュレートした
  • 最終周回の1コーナーの飛び込みで最終コーナーの順位はほぼ決まる
  • ということはラスト2周回はほぼ先頭の必要あり
  • 最終コーナーを先頭で立ち上がってまくられないほどのパワーはない

なんというか、表彰台で言っていたことは冗談じゃなく本当に想定通りだったんです。

たまたま想定通りになったから勝てただけです。しかもE2やからできたことです。C1のラップタイムもっと速かったしね笑

でも想定の精度はそんなに低くなかったんじゃないかな。勝因は自分を信じてそこに賭け、そしてその賭けに勝ったことですかね。この方法でしか勝てなかった。己を知るってことはすごく大切だと思います。

火事場の馬鹿力

練習以上の行動はできない。でもやっぱレースでしか出せない火事場の馬鹿力はあると思うんです。

脳のリミッターカットするというか、ゾーンに入るってこのことだと思う。僕の最大心拍数190で8分CPが352なんです。なのに

  • 残り7周8分間の平均心拍数は187
  • 最大心拍数も更新して191
  • レース最後の8分間のNP360

それでも冷静に動いていたし、辛かったけどまだいけると思ってた。めちゃくちゃ辛いところからまだ踏み込んでいけた。ゴールした瞬間は心臓飛び出るかと思ったけど。

あとガッツポーズして叫んだときに、腹筋つったのは内緒です。

ちなみにレース中1番怖かったのは自分のペダルヒットでした笑

これでE1にあがれるわけですが、帰って彼女に報告したら一言目は「おめでとう」で二言目は「次はE1で優勝やな」って言われたのでがんばります。

たぶん一気に難易度あがると思うのですががんばります。